ポップで泥臭い人情劇 〈芝居〉『カラフト伯父さん』 2005/06/16/白糸雅樹
もしかしてこれは、青年が何かで拗ねているのではないかと感じさせる部分がちらちらと見えてくる。そして如何にも嘘っぽくみえる男の説教ぶろうとする試みもまた、なんらかの呵責がなせる業として見えてくる。
それが決定的になるのは、「震災の時にあんたはどこに居た?」と爆発する青年の叫びだ。ドラム缶をひっくり返して暴れまわる青年とそれにつづく、トラックの荷台を舞台に聖母子像(いや、この場合は父子だが。)のような二人に降り注いでくる、崇高な天井からの照明。「遅くなりましたが、カラフト伯父さんは、ただいま君のもとに帰って参りました」
さて、ここで終われば感動的にメデタシメデタシなところだが、21世紀
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