哀しみ皇子(2)/アマル・シャタカ
ジサンだけになった
「皇子はどうして哀しみ本線なんかに乗っているのだい?」
ぼくは変な人に言われたことを、そのままに話した
哀示美鳥についていけばわかるからって
「ああ、哀示美鳥は線路に沿って飛ぶからね、ちょうどいい」
話していると、違う女の人が来て、違う男の人も来た
オジサンはそれぞれに宝石をわたしていく
「皇子、今日はここに泊まっていきなさい」
ぼくは困った
哀しみ時間琥珀色だから、いつまで哀しみ本線が止っているかぼくは知らないので
というと、オジサンは、
「琥珀色だから大丈夫、今日は泊まっていきなさい」とくりかえした
こまっちゃったよ、ぼく
「皇子は、あれだな、い
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