AM6‥00 または実験的感覚的その5/はじめ
実に心地良い時間帯だ
僕が瞼をゆっくりと閉じると 世界の重みが瞼の上に乗っかる
それで僕はとろりとした透明な水の中に浸ることができる
僕は息をしながらプールのような底で静かに眠っている
熱いものが体を通り過ぎている きっとこれから戦いに行く槍を持った紅い魚人だろう
水は揺らめいている 人工太陽の光に照らされてきらり きらりと輝いている
水の中だと余計に世界の物音に耳を澄ませられる 魚人達の戦いの音 アメリカの普通の家庭の朝食の食卓でのナイフとフォークと皿がぶつかり合う音 ソマリアの難民キャンプで何故か血を流している母親に寄り添うに抱き合っているまだほんの小さな子供の涙の落
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