実験的感覚的その3/はじめ
 
 執拗に降り注ぐ雨
 僕に親しみを持った軒下で歌っている
真っ赤に痛む心は鼓動するよ
 当たり前にリピートする曲を聴きながら
 ベースの音に吸いつけられるように首を振っている
 丸みを帯びた視界を見つめた
 優しく切り替わって天国が映った
 また見たね この風景
ぼんぼんに目を腫らしながら涙している
 意識が微睡んだ視線
 思い出す舌の裏の感触のような天使の歌声と今聞こえる強い意志の感じられる女神の歌 あぁ 斜光が雲間から差し込み そこへ行けるんだね
 前進する明日へ向かって気持ちが動き出すよ
 肉体の躍動感を宿したこの詩
 夜と夕暮れが脳裏で反転するよ
 先端の尖った形ある古いひかり
 世界で三番目の早さ
 君はそこでいつまでも温かい唇でキスを待っているんだね
 最終列車が空へ出ようとしている
 希望が行き場を失って泣いている
 同じ者同士が二人いるよ
 最果てには無能な旅人が立っている
 宇宙を周回する岩石の輪っか
 追求する利潤の論理とロマン
 丸々太った自己満足は要らない
 孤独を谷川俊太郎に観てみる
   グループ"実験的感覚的シリーズ"
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