絵葉書の告白/銀猫
まるで他人行儀な
挨拶で書き始めたのは
あなたの選んだ便箋が
何だか照れ臭く
上目遣いにさせたから
感情を露にせずとも
温かな文となるようしたためたい
そんな課題を自分に求め
解いても解いても
言葉に絡みつく感情から
あなたが目をそらしてくれるよう
絵はがきの短い便り
そんな
気恥ずかしさを
あなたは恐らく
読んでしまうやも知れません
宛名を書くとき
少し早くなった脈拍には
そのまま気付かぬふりで
どうぞ
代わりに
投函するとき少しだけ
祈ってしまったことを
今ならば
告白いたしましょう
(親愛なるあなたへ)
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