降り来る言葉 LXI/
木立 悟
間を見つめる
曇りに潤む曇りの目から
径は無数に現れて
夜の鳥や標をたばねる
どこまでもひとり歩めるように
枝をひとつ
選べば森
映る 廻る
筒にうたう
入れ子や冬や
同心円の重なりが
景や煙をほどきほぐして
はじめての朝を飲み干してゆく
紙と結晶
まばたきの地平にたなびいて
昇るもの さらに昇るもの
幾重の空のかがやきを聴く
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