降り来る言葉 ?/木立 悟
 


花を負う花が雀になり
鴉にやさしくついばまれている
音は聞かれる間もなく火となって
水だけを求めて落ちてゆく
別の音が別の音を得て空に生まれ
二羽の鳥の背の上から
川に沈む火を見つめている


白い朝の光が吹いて
地に落ちた火を呼び寄せるとき
見える鳥と見えない鳥が向かいあい
空ははばたきのかたちに満ちてゆく
葉は繁り 枝は下り
誰も乗らない遊具をつつむ
壁も土も静かに隠れ
置き去りの春の子供さえ
風のなか緑に浮き沈む


雨の降ることも
止むことも
空にひろがる
なにかをまるく抱くねむり
なにかとともに在るかたち
たくさんの水の
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