降り来る言葉 ?/木立 悟
水の子供が現れて
手に手に金の火の穂を持って
朽ちてゆく色のひとつひとつに
ただ一度だけ
ただ一度だけを呼び覚ます
午後の光に消えてゆく
窓の内 窓の外
そして窓
窓辺に立つものもまた消えかけながら
かがやく音を見つめている
かがやく羽を見つめている
取り外された遊具
取り残された支柱
枝葉のように降りてくるもの
花でありそして鳥であるもの
季節が見つめる緑のなかに
ねむる雀と鴉のかたち
かがやく光の切り絵のように
空へ 空へ ひろがってゆく
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