降り来る言葉 XV/木立 悟
 
の間を震わせ
低く遠くありつづけている
見えない光は
水に立つ金の螺旋の子
骨の原に歌う双子となって
失いつづける手のひらに
響きを
言葉を
絵筆を
手わたしてゆく



火の粉 水の粉
とばせ とばせ
火の輪 水の輪
まわせ まわせ
火の子 水の子
かざれ かざれ
小さな耳のうしろまで



まるい光のなかを傾いで
羽になってゆくばかりゆくばかり
(ああ 両足が 浮いたままだよ)
(見えるかいみんな 見えるかい)



歌の描線に描かれたからだが
小さな手を支え
小さな手に支えられ
羽と踊りと
笑みに飾られ
絵筆と白い布の前に
捧げもののように立っている






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