降り来る言葉 XV?/木立 悟
どこかにあるのかもしれなかった
ほどけてゆくらせんの連なりの羽
手をすりぬけては土に沈む火
ふるえに消えるふるえの姿に降りそそぐ
まだ見ぬ声のようだった
長い歩みのなかの一歩が
荒れ地をざくりと踏みしめたとき
なにもかも貫き そびえるものたち
どこまでも伝わりつづける翳りの歌
滅びていったかたちが溶けあい
手をつなぎ手をつなぎ起き上がる水の輪
異なる色は紋にひろがり
もう戻っては来ないかもしれない
原の双子
光の双子を見つめていた
ほどけてもほどけても降りそそぐ
源の歌を見つめていた
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