降り来る言葉 XXI/木立 悟
 
色の手を抱くかたち
血のそのままを抱くかたち
流れ落ちても消えつづけても
ふたたび抄う手のかたち


光は糸を吐いてはほどけ
さらに明るい光となって
山に川に雲にあふれ
孕みつづけるものたちの列を
波のように通りすぎ
水の無い土地へとたどり着き
新たな海になってゆく


頂の霧の球が割れ
山すそを流れ落ちてゆく
頂には金の火のけだものがいて
草の姿をした
草ではない生きものが
岩や砂や土や鉱
石になれない骨たちに触れ
ありのままをただ祝うのを見る






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