降り来る言葉 XXII/木立 悟
ひとつ折り ふたつ折り
細い道に鳴る影踏みと
冷たい明かりの向こうには
まどろみに似た水の花
白くほどけるふちどりの花
空から地への階段が
何の色もなく音もなく
そのままありのまま土に立ち
やわらかな雪の骨にたたずんでいる
うたの窓 うたではない窓
重なることなく 段々に
まだらのはざまに振られる手
硝子の光をかき分けることなく
生まれ行き来する速さの手
よどみとどまる溝をすぎ
想いは流れ 流れつづける
規則正しい抱擁のそばに
規則を持たない水がある
乳の波間に次々と
言葉のかたちの雪が溶け
光の音の食べ物になり
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