降り来る言葉 XXIX/木立 悟
 
まる黄色と消えゆく意志
岩の前に立つ在り得ない意志
    壁を声に満たす筆
    透きとおる水の
    底に鳴る笑み
光を知らないものの波が
光のない道に打ち寄せる
    散るものの外
    風の繰り言
    粒の面(おもて)を流れ去る色
失われたみどり きみどり
野を分ける野の手に舞いもどる
    金の芽
    眠る虹彩の輪に
    ひらく












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