降り来る言葉 XXX/木立 悟
触れようとすると
指は変わる
光
漏れ聴く 光
見ているものは
既に違う
光
遅い 光
雨のはじまりを鳴く鳥に
枝はまぶしく満ちてゆく
羽と幹と音のはざまに
空は蒼く満ちてゆく
腕が腕を抱き
肩を抱き
指先ひとつの痛みへと
己れを抱くようにたどりつく
光を吐くもの
葉の光を吐くもの
血に導かれ
線の 波の 血に導かれ
落ちる前にとどろいて
飛沫は四つの空を貫く
痛みなく光なく焼けてゆく
どこまでも幼い火のかたち
横から横へ 宙から宙へ
夜の苦みと苦しみは降る
夜明けの水に浮かぶ諧謔
直
[次のページ]
前 次 グループ"降り来る言葉"
編 削 Point(6)