降り来る言葉 XXXVII/木立 悟
星をちりばめた蛇の肌
太く巡り
雑に巡り
生まれに生まれを撒いてゆく
道を吐き 道を吐き
肌は蒼に 空を空を
けして光のせいにすることなく
逆円錐に持ち上げる
見知らぬ人の顔から顔へ
通りすぎてゆく列車
人のものではない灰が
音の内へ降りつもる
緑に堕ち
増えては疑い
増えてはまばゆい
ただそのままをひたす水
むき出しの光のひまわり
口笛が翼に撃ち抜かれ
影が影を隠すとき
ほとばしる遅さを求め
音は音の隣を歩む
坂を巡る坂
ゆらめきと響き
土に炒られて飛び立つ蝶には
子孫を与えてもよいはずだ
夜と水 光と
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