降り来る言葉 XL/木立 悟
冬の赤子
厚い布の手
虹を梳かす手
模様がしたたり
小さな炎が
小さな炎の頭をなでる
後悔が 見つめる
左手の蛇
子らの頬
水も銀も
うたになる日
どこかへ至ろうとする傷が
瞬を瞬に永くする
けして器ではない楽器から
ひとりの冬が鳴りつづけている
咽の孔雀
雨あがり
くりかえし得ない
色の輪唱
あなたがあなたを見ないうちに
2800の冬がまばたく
砂の泉の
波間をゆく
天使の手がたのついた椅子を売り
公園に外灯をひとつ買う
自分にもわからない自分自身を
照らそうとして照らせずにい
[次のページ]
前 次 グループ"降り来る言葉"
編 削 Point(1)