降り来る言葉 XLI/木立 悟
の元素をさらすのか
せかしている せかされている
からみつくものは しめつけている
蝋燭の原
未だ点されたこともなくたなびく
岩を灼く陽をついばみ
冬を吐き出す
未完の鳥
凍えるままに立ちつくす
あらゆる成り立ちを見透かされなお
侵略し越境する
そうせざるを得ないほど
内なる歩行を響かせる街
水に沿う森をほどき
逃れられない弦の音を聴く
一度きりの葉を
片耳のために使い果たして
挨拶の途中で
次の雨が来る
厚い紙を裂き
羽を土に刺す
鍵は火 鍵は火
道めぐる声
こらえきれずにあふれる窓
ひらききりひらき
[次のページ]
前 次 グループ"降り来る言葉"
編 削 Point(2)