降り来る言葉 XLVIII/
木立 悟
こに居るという
聴きも見もせず
そこに在るという
階も解も無い建物の上に
座るだけで早や昇り尽きる
垂直の洞 垂直の闇
天よ天
かしげれば かしげるほどの青
ひとりとひとりの距離は無くなり
金と緑は冷めて空を見る
むらさきばかりが道に熱く
夜のなかにふと むらさきで居る
透明な蟲毒に映る夕べ
あふれる色 階を照らし
色失くす色 段を昇る
降るは空
外の外の空
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