PIGSTY?/暗闇れもん
「YUSUKE」
祐介。5歳離れたかわいい弟の名だった。
赤い首輪だと思っていた。けれど、手についた赤い液体と鉄臭さがその間違いを証明していた。
足が自分のものじゃないみたいに震え始めた。
携帯を持つ手も震え、何度も何度も地面に落としそうになりながら震える指でボタンを押した。
「帰りが遅くて心配していたよ、綾香どうした?」
お父さんの声が聞こえても声が喉に張り付いてしまったようにでない。
「綾香どうした?」
私は生唾を飲み込み、自分を叱りつけ、ようやく声を出すことに成功した。
「…祐介は?」
次にお父さんの声が聞こえるまで、私の心臓は壊れそうなほどにまでなっていた。
「ん
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