PIGSTY?/暗闇れもん
「ん?祐介はちゃんと家にいるぞ。本当にどうした、綾香?」
私は携帯を持ったまま、その場に崩れこむと安堵と恐怖で声を上げて泣き続けた。
泣き声で血相を変えたお父さんが、私を探しに来てからは時が早く過ぎていくように感じた。
警察で事情を話すと年配の警官は「おそらく悪質ないたずらですね」といい、お父さんの「大事な娘がこんな目にあったというのにそれだけですか!」という怒鳴り声にもあいまいな笑みを浮かべただけだった。
私はその時、別の警官がかかってきた電話に向かって小声で「大丈夫です。はい、全て計画通り順調に…」という声を聞いた。
その時はその言葉の意味も重さも気付かぬまま、私はその言葉を
[次のページ]
前 次 グループ"壊した世界"
編 削 Point(0)