ベルセーズ/もも うさぎ
 
蜜を
その舌であつめたような

そこに彼は

突き刺し貫こうとしていた


朝から晩まで繰り返して弾かれる

絶頂のない耽美


ベルセーズ







もうたくさんだ!!!








彼はランプを手にし

ピアノの聞こえる部屋へ向かった


上の廊下を歩くのははじめてだった

こころのなかに矢を隠し持って


薄暗い木の床に靴の音
揺れる音色

血走った目に

そっと悲しげな夢を宿し


彼はその 扉をあけた









そこには

なにもなかった




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