ベルセーズ/
もも うさぎ
ピアノも
ベージュのドレスの乙女も
彼は
自分のこころの矢が
それを貫き殺してしまったことを 悟った
情欲の逆は 沈黙だ
そこにはなにもない
林檎ひとつ
ない 静けさの向こう側
静寂
彼は書いた
紙がなければ 壁に書けばいい
ペンがなければ 血で書けばいい
簡単なことじゃないか
叶わぬなら
どうして
彼にそれを与えたのか
音はいまだ揺れる
こころのなかを
ランプの火のように
消すことの 意
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