緑と紫/結城 森士
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と共に 飛ばそうとした
(残響)・・・飛ばないよ
浮き上がらずに
(ポトン)墜ちて
弾けた
その瞬間
激しく散乱する
シャワーの音が
聞こえなくなった
広がっていく波紋
(三)
水の中に記憶を滲ませて遊んでいた、球体の向こうに波が押し寄せる。引いては回り去って行く面影の中に、ある日の公園の風景が甦った。太陽が廻って、瞳を中心に流線型の弧を描く世界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
幼い手の向こう側の感覚は果たして無数の球体を覚えてい
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