一重日(ひとえび)/結城 森士
閉じていく今日
光の輪郭を形成する自由な太陽が
緑色の淡い円を発光させながら
次第に抽象に移りゆく
不規則にこんがらがって
結ばれた約束は
シンプルに解ける
目を瞑る/目を開く
何も見えない世界には
何も存在しない
僕は此処にいる/此処にいない
一つの意志は重なる事無く
虚構の日々がただあるだけで
ときどき風が吹く事を知る
目を閉じる
と思えば閉じている
この星に初めて生まれた生命は
今でも増殖を繰り返し
複雑にこんがらがっていく
そしていつか来る一重日に
難解に絡み合った生命の糸が解け
一つの意志を知る
目を開く
と思えば開いている
個人という抽象物質の
思考の端っこにある不透明な闇を
自由な太陽が照らしている
僕は此処にいない
「テーマ先行型投稿企画 Apoptosiem投稿作品」テーマ『宇宙神話』
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