記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
る女の子だった。
最初は、ただ単にメル友で済む筈だったのに、
お互いに訳のわからぬ幻想を抱いてしまった…と言う状態になる。

 俺は、舞子がある程度俺に興味を持っているのを知っている。
気を惹きたい。だから、俺は舞子の前では、侑子が好きだと言った。
侑子にも好きだって言った。その口で、俺は舞子に愛を囁く。
最低だね。俺は舞子さえ手に入れば、侑子なんて…と思っていた。
 俺が美大受験に失敗したと侑子に報告した時、
いきなり彼女から電話があったのを覚えている。優しかったね。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。
 侑子は、ただ優しかった。
そして恋に恋して、俺がそこにいただけだ
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