記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
第五ニューロン 「史上最悪のクソったれ」
どうも、時間の感覚が思い出せない。
いつ頃、何が、どの順番で発生したのか。
それらひとつひとつは思い出せても、全体の順番がわからない。
言い換えれば、俺ってヤツは、そのひとつひとつに必死だった訳で、
全体を見通せていなかったから、今生きてるんだし、
その愛っつーのは破れた訳だ。納得。
ともかく、俺は内心、嘉人に勝利した気でいた。
相変わらず、俺は学校で嘉人と軽口叩きながらじゃれている。
懐には、ナイフのようなモノをちらつかせる事も無く、それは無邪気に。
舞子の話になった時、俺はこんな事を言った。
「てめぇ、あんなイ
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