荒川洋治を読んでみる(三) 『ながあめの自治区を』/角田寿星
 
「ながあめにつれそってもうふたつきになる。みずいろの笹。みずいろの岩。みずいろのほら。」

結論から言いましょう。寧夏回族自治区を舞台に選んでしまったがために、この詩世界は、完全に破綻してしまいました。そんなことでは、いくらことばを尽くされたところで、とても読めたもんじゃありません。

いきなり何を言ってんだこのおバカちんは、と思ってる方々に解説いたします。寧夏回族自治区は、中国の北の辺境にある、ちいさな(といっても面積は九州くらいあるし、人口も500万人を越える)地区です。中国内に回族、イスラム教徒は900万人くらいいるそうですが、そのうち200万人ほどがここに住んでるそうな。内蒙古(モ
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