荒川洋治を読んでみる(三) 『ながあめの自治区を』/角田寿星
(モンゴル)自治区の南、黄河がおおきく北に彎曲するとこにちょうどあって、黄河流域にある寧夏平原は重要な穀倉地帯。井上靖の『敦煌』でも有名な西夏王朝の都は現在の省都、銀川付近にあったそうです。
問題は、この地域の年間降水量。南部の3000メートル級の山々がそびえる高地でこそ400〜600mmですが、北部の寧夏平原あたりは、200mm。省都の銀川にいたっては、167mmだと。いやあ、なんかの間違いじゃないかと何度も資料を読みなおしましたよ。聞いた話によると、砂漠にならないぎりぎりの年間降水量が200〜300mmということで、穀倉地帯でこの降水量はないよなあ…やっぱり砂漠化がかなり進んでいて、おお
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