ヒューム「ベルグソンの芸術論」(4)/藤原 実
社)のなかで、荒地派の吉本隆明の「審判」という詩について、「あまりにも自分の表現方法を発明しようとして骨折り損をしている。マチガッタ努力をしてコトバをへとへとに疲れさせている。それよりもコトバ自身の伸びようとする法則を発見し、その線にそって助けてやるだけでよい」と言い、その詩が隠喩へののめりこみによって、コトバの病いに陥っていってしまっていることを批判しています。
「 苛烈がきざみこまれた路のうえに
九月の病んだ太陽がうつる
蟻のようにちいさなぼくたちの嫌悪が
あなぐらのそこに這いこんでゆく
黄昏れのほうへ むすうの
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