ヒューム「ベルグソンの芸術論」(4)/藤原 実
 
神話の要点は、人間がじぶん以外のものに拡張された自分自身にたちまち魅せられてしまう、という事実である。


…もしそのイメージが自分自身の拡張あるいは反復であると知っていたら明らかに、それに対する感情は非常に違っていたであろう。」


         (マーシャル・マクルーハン「メディア論」第4章:みすず書房)


マクルーハンの言う、自己を映し出し拡張するメディア(詩人の場合はコトバ)を、自己の感覚の延長としてとらえる、という点で鮎川たち荒地派の詩人には大きな欠落があったのではないでしょうか。

荒地派はモダニズムの無意味無内容性を批判して「意味
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