ヒューム「ベルグソンの芸術論」(5)/藤原 実
 
ルフレッド・プルーフロックの恋歌」のイメージの飛躍を評して「この表現には、行と行の間を前節と後節のあいだを、また客観的世界と創造的意志との間を繋ぐ接続詞というものがない。近代世界は接続詞のない世界である」と言ったことについて、次のように述べます。


「この『接続詞のない世界』という観念は、たしかに現代詩の一面をついたものです。隠喩の解りにくさも、イメジの腐蝕的、解体的傾向も、根本はこの相互関連性の欠如にあり、そうした現代文明の危機が詩人の鋭敏な感受性に屈折してくるためであると考えられます」
        (「現代詩作法」)



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