ヒューム「ベルグソンの芸術論」(5)/藤原 実
 
センスの領域」[訳]高山宏:河出書房新社)


ありとあらゆる不可思議なことが起こりうるが、そこに隠された意味などなく徹頭徹尾「文字通り」の世界、いっさいが「表面」だけで奥行きのない鏡の中の出来事のような世界---すなわち、ナンセンス・ヴァースの世界。
答えのないなぞなぞ、白紙のルールブックを持った厳格な審判員、シニフィエ無きシニフィアン、言語怪獣たちが跳梁跋扈する世界。

鮎川信夫が、現代の詩は「猫に胡弓を取り付けた玩具」であってはならない、としりぞけたまさしくその世界です。



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