ヒューム「ベルグソンの芸術論」(5)/藤原 実
言えるなら、おどれなかったと答えた。それと同じことがこの詩にも言えるだろう。この詩のもつ主な事実は単にこれは詩であるという事実にすぎない」
(西脇順三郎「エリオット」:研究社出版)
『ノンセンスの領域』の著者、エリザベス・シューエルは、「詩的隠喩的な要素」を排除する、ことをナンセンス文学の条件のひとつとしてあげていますが、西脇順三郎の言うことをぼくの興味の向かう方向にずっと延長してゆくとモダニズムとナンセンスがむすびつきそうです。
「総合をめがける傾向は、一切御法度(タブー)とされる。知性における想像力、言
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