命の大切さ/ajisai
ある新月の夜
死神の少年は広場で踊る天使の少女の姿を見つけた
死神は天使のいる広場に静かに舞い下りた
「やあ、こんばんは。ミニエル」
死神が声をかけると天使は足を止めて
死神の方に向き直った
「あら、久しぶりね。ルゥーン」
眩しい笑顔で答える
「でも、何だか暗い顔ねえ」
死神の表情は硬かった
「うん、この前小さな女の子の魂を連れて行っただろう
ああいう時って、すごく辛いんだ
まだほんの数年しかもほとんどベッドの上での生活 世界をほとんど知ることもなく
この世を去らなきゃいけないなんて
とっても気の毒に思えてならないんだ」
死神はいつも人間たちの辛さ、哀しさ、切
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