翼あるものの定め/ajisai
 
ある月夜の晩
白い翼の生えた可愛らしい少女が
ある村はずれの広場にそっと舞い下りた
月明かりが優しく広場を照らす
少女は天使だった

天使は月夜が大好きだった
月の光は天使の心を和ませてくれる
他の天使たちはめったに地上には降りてこない
人間たちと関わる事も嫌っているものさえいる
でも少女の天使は人間たちが大好きだった
そおっと梢に座って人間たちが楽しそうに
話をしたりしているのを眺めたり
村はずれの広場で月明かりを浴びて踊ったり
死神の少年に会って話をしたり
地上は天使にとって憩いの場だった

天使は今日も広場で楽しく踊って過ごそうと思っていた
不意に後ろから
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