一人ぼっちじゃない/ajisai
考えていた
ある満月の明るい夜
黒い翼を持った少年に出会った
月色の綺麗な瞳の笑顔の優しい少年
僕は願いが叶って月から使者が来たのかと思った
「あなたはお月様の使者の人?」
少年はゆっくり横に頭を振ると
「いいや、僕は死神
死んだ者の魂を天へと導く者だよ」
「じゃあ、嵐の夜に死んだ僕のお母さんの事知ってる?」
僕は死神の少年の袖を引っ張って質問した
「君のお母さんは僕が天国へと連れて行った
だからよく覚えているよ、
君を一人残していくのが哀しいといって泣いてた
せめて、空の上から君の無事を祈り見守
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