萩尾望都私論その3 ダーナの子ら/佐々宝砂
 
つる。『ポーチで少女が子犬と』の次のSF作品は、『精霊狩り』三部作だ。連作最初の『精霊狩り』(1971.7)は、かなり脳天気であっぱらぱーで惚れっぽい精霊(=年をとらない、死なない、超能力を持つ異人種)ダーナ・ドンブンブンの活躍を描く、かなり脳天気であっぱらぱーなSFコメディである。絵柄は古いし話もどことなく古いが、この1作目だけを読むなら間違いなく単純に楽しめる。狩りの対象として迫害されても、裁判で有罪判決を受けても、「やだよ!いくらなんでも七十年上の女性なんて」とオトコに拒まれても、ダーナは明るい。コメディなので、怒り狂っても明るい。しかし2作目『ドアの中のわたしのむすこ』(1972.2)にな
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