萩尾望都私論その3 ダーナの子ら/佐々宝砂
 
になると、ややトーンが変わってくる。精霊の妊娠・出産は例がないというのに、ダーナの妊娠が発覚する。ダーナは七回も結婚していて、父親は誰やらわからない。しかし精霊の生殖自体が皆無だったわけではなく、人間の女性を妊娠させた男性の精霊イカルスとその娘チャシーが登場する。チャシーの母親は既に亡い。「こどもに父親は必要だよ」とイカルスはダーナに求婚する。イエス、と答えようと決意したダーナは息子ルトルを生む。というより息子は、自分で勝手にダーナの子宮から外にテレポートしてしまう。

ちょっと説明が煩雑だったかもしれない。でも説明したかったのだ。

木の股から生まれたの空から降りてきたのと言われていた精
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