飛ぶ鳥を探す日/石瀬琳々
青いってくちにして街は海になる花びら泳ぐ彼方の岸を
まぶた濡らす緑雨は君に降りやまず海の果てに飛ぶ鳥を探す日
永遠に待ちぼうけです目を閉じて探して君の赤い夕焼け
いくたびか甦る夢窓向こう回遊してゆく紫陽花の雨
野の果てにさびしく燃える火、橙(だいだい)にワスレグサ咲き誰を忘れて
風の音それともあれは鳥の声海を思えば白い航跡
また秋に触れるさびしさ金色の穂を揺らしては風の旅人
銀笛は遠く流れて待合室おもいでだけの鳥籠を抱く
飛ぶ鳥をいくつ見送る季節かとまた群青の海になる日々
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