小詩集【常夜灯】/千波 一也
 
たしの孤独は
不幸をもたらす

わたしの孤独は
幸をももたらす

道標など
はじめから無い
どこにも
無い

あるのは音だ
不透明に
鳴り続く
音だけ






七、 風のベル


胸の向こうを
呼びさますのは
いつもささいな風ばかり

誰がおくった風なのか
どの手がとどける
風なのか

わからぬことを
受容したなら
そっと
だれかに
響くだろうか

だれかの朝を
告げるだろうか





八、 シンプル・ハート


やさしい話が好きなので
易しいこころを
うたいます

そうして
継がれて
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