【短歌祭参加作品】「なっちーのおとめちっく☆ぱらだいす・夏」/ふるる
「夏の思い出」
うつくしい足は流れに浸されて思い出の澄む初夏の温泉
涼しげなうなじを一輪緋の色の鼻緒つっかけ見つけよ花火
小さき子手綱もないのにばしゃばしゃと御者がお水の馬駆るプール
台風や凪の時にも目で聴くの瞬きのおと線香花火
落ち着かない補修授業の窓むこう雲燃やす昼の流星群
罪のある恋は逃避を試みず音だけのする激しい夕立
いくつもの蛾や蝶軽々息絶えて看取る者なく押し黙る蚊帳
ワンピースふわり散り行く夏の花そよ風の尾と遊べ風鈴
物憂げ
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