【短歌祭参加作品】「なっちーのおとめちっく☆ぱらだいす・夏」/ふるる
憂げに紺の浴衣をはだけさせ悲しみ帯びるお終いの海
あの色も匂いも音も遠い過去 夏を亡くした冷凍都市
「待っていたつもりはない」
海の中赤いあたしを追ってみてこのスリルまるで金魚すくい
待っていたつもりはない夏、太陽になつこく迫られ氷は半裸
血と水の混じったような汗の味あいつを思い出させるすいか
「夏の哀しみ」
生ぬるい冷やし中華の哀しさはかき回すだけのああ扇風機
重さからこれはビールと思いきや哀しき洗剤ああお
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