三華遠季節 ?/
木立 悟
雨を受けとめるとき
光から醒めるとき
去る行為が消えるとき
ひとつの芽を知る
野をすぎ
雪を呼び
歩み 飛び 巡る影の
咲きひらく四肢を見る
温い朝の
羽のある背
飛びたつまでの静かな
骨の時間に添う
たどりつけないものたちの王
水を乱す手足
音の中に還る
くすんだ空のひろがるほうへ
草の冷たさは切れぎれに吹く
野に立ち
水の闇を抱き
鬼を待てば
鬼はやって来る
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