冷めた水?(1986.12・24)/木立 悟
純粋は純粋から生まれず、常に混じりもののなかから生まれる。純粋とはまじりもののなかから生まれる本当の混じりものであり、本当の美しさである。あらゆる混合物を超越して輝く強さであり、結晶であり、剰余であり、本当の醜さである。
どろどろとした雪道。あるのか無いのかわからない太陽。標識には白く「不安」と書かれ、従属の喜びをかろうじて制している。うつむきながらも抜けめなく人と人との間を見つけては通り過ぎる。こんな日に「雨が雪に変わる瞬間を見たい」と思ってはいけない。涙を止めることができなくなるから。
どれほどの光が球根に吸い込まれるのだろう。敗北をこんなにも雄々しく育てて、花びらをよ
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