冷めた水?(1986.12・24)/木立 悟
をよみがえらそうとでもいうのだろうか。葉脈が、緑が、あらゆる権威を解体する。夜を嫌悪する生きものを、彼等は理解できないのだ・・・・。
事後承諾。解説。閉ざされた交感。それらが歴史であるなら、あれら冬の蠅たちはそこから来たのだ。目の前の惨景を「見えない秩序」としか表現できない芸術家たち。いつのまにか、許された印付きの下水道のそばで子を産んだ雌犬のようだ。だが、私も既に父親の一人なのかもしれない。
偽物、夢、安易な愛。人面、交響、内臓の音。階段、蒸気、背に埋まる髪。腐ることなく嘲笑う魚。毛皮、選民、血のついた骨。壁を読む霧の珠、塵の珠。そのなかに棲む蜘蛛たちは、一度も死んだことがない。
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