25Y・12.2/木立 悟
長いあいだうごめき、たった今、この爪のための土地にたどりついた。
何度遠回りをしたことか、迷ってしまうことができたらまだしあわせだったのに、
何度も何度も忘れることもできずに、他のことはただ忘れるばかりのまま、
ここに着き、ここに居て、ここで線を走らせることができる。
もう何を待つことがあろうか。
自分は今、再び、吐きながら飲み込みながら冬を得たのだ。
自らの骨を見て言う
「頬骨のものだ」と
既に目を失い 言う
「苗床に触れている」と
腕を掘り起こし
種子を蒔いたのだから
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