25Y・12.4/木立 悟
恐怖は何者にも触れず、視界の端々の森の内と外に属せるだけ属しようとする。
この無知、この保守、この空腹。同例などなく、差別もなく、真なるものもない。
ひとつの点が百になり、そして、はじめて、語れるもの。
百が那由他に、無限に至っても、けっして気を震わす火を持たぬもの。
水は油で終わりのひかり。ひとつをななつに分けてかがやく。
私がたたずむ場所があろうか
私が抱ける腕があろうか
望みを奪われあるいは捨て去り
望まぬものを植えつけられて
茶の葉のカケラは舌から動かず
左の手のひら
焼けてくずれたぐみの色
金は不可視の地下の色
秋は秋ではなくなってゆく
雪が冬だと誰が決めた
おまえより優れたものたちが
句読点によって
空気の地層のように積みあげた
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