25Y・12.8/
木立 悟
やはり何も無くなってしまったのかと考える。
呪いと自己愛だけが自分なのかと考える。
しかし、もう、人間的な世界からは何も生まれてはこない。
折れた鉛筆の先を親指とひと指し指でつまんで何度も何度もつぶやく。
「これしか武器は無い。木も消しゴムも鉄もプラスチックも無い。
この弾丸だけがある。銃も無い。」
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