夏葬/大覚アキラ
今年もまた
死にぞこないの夏の息の根を
ひと思いにとめてやる
そんな季節になりました
終電に揺られながら
窓の外を流れる夜景と
イヤフォンから流れる音を
頭の中で混ぜ合わせます
震えるようなファルセットに
胸ぐらをつかまれて
二度と立ち上がれなくなるぐらい
叩きのめされます
夜景と音が完全に混ざり合って
色のない光の粒になったら
それをライスシャワーみたいに
宇宙にばらまきます
地球は
この途方もなくだだっ広い宇宙に
ポツンと建てられた
ちっぽけな墓標なんだそうです
ロケット花火
何本束ねて火をつけたら
宇宙まで
飛んでいけるのでしょうか
一年たったらまた
すべり台のてっぺんで会いましょう
それまでは
おやすみなさい
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