なつやすみ/大覚アキラ
宇宙で
きみと待ち合わせして
渡しそびれたままの手紙を
きみに渡したい
そしてそこから
もう一度だけ
やりなおしてみたい
終電が終わったあとの
ちいさな水たまりみたいな
駅前のロータリーで
真っ黒な夜空を見上げて
生きるということは
夏休みのおしまいの日を
何千回も
何万回もくりかえすこと
だから
ぼくはいつまでも
帰り道のまっただなかを
ヘッドライトの切れた車で
転がしつづけながら
どこかで
きみともう一度
めぐりあえるのを待とう
永遠にくりかえされる
夏休みのおしまいの日に
ほんとうのおしまいが来るまで
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